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1 DMARCレポートとは
本記事は、DMARCの設定にともなって送られてくるDMARCレポートの見方を
まとめたものです。
DMARCレポートは、ドメイン所有者自身の
ドメインから送信されたメールの認証結果を確認することができるものです。
このレポートを利用することで、ドメイン所有者はどのメールが正常に認証をパスしたか、
どのメールが失敗したか、そしてなぜ失敗したかについて詳細な情報をレポートとして
受け取ることができます。
ドメイン所有者自身のドメインから、といっても、実際には
ドメイン所有者自身のドメインからだけでなく
全く異なるドメインからのなりすましメール送信の結果もかなり多数含まれてレポートされます
。
全く異なるドメインからの発信であっても、
騙られた所有者のドメインにメール送信結果がレポートされるということです。
# 自分では送っていないはずなのに、DMARCレポートに
# メールを送ったことになっていて、「アレッ?」と思ってしまいました。
DMARCレポートは基本的にはXML形式で定期的に送信され、
ドメインの認証ポリシーがどの程度効果的に機能しているかの確認も可能にします。
なりすましメールといった不正なメール送信者による悪用を特定し、
対策を打つために必要なデータも同時に獲得することができます。
# なりすましを放っておけば、SPAMHAUS
のようなところに登録され、
# 利用できないネットサービスがでてくることがあります。
なお、DMARCの設定、およびDMARCレポートの受信方法については、
下に示すページをご覧いただければと思います。
2 DMARCレポートの種類
DMARCレポートには、主に以下の2種類があります。
① 集約レポート(Aggregate reports)
② フォレンジックレポート(Forensic reports)
2.1 集約レポート(Aggregate reports)
このレポートは、XML形式で提供されます。
ドメインのメール認証の成功率や失敗の詳細、
認証に失敗したメールの取り扱い(例:拒否、隔離)、送信元のIPアドレス、
使用されたメール認証方法(SPFやDKIM)などの情報を含みます。
「集計レポート」と呼ばれることもあります。
フォレンジックレポート(Forensic reports)
このレポートは、DMARCポリシー違反が発生した際に、
違反したメールの具体的な詳細を提供します。
認証に失敗したメールの完全なヘッダー情報や、
場合によってはメール本文の一部を含むことがあります。
集約レポートと違い、プライバシー上の懸念から、
フォレンジックレポートを送信しないプロパイダもあります。
# わたしの利用しているレンタルサーバーでは、フォレンジックレポートを送ってきません。
# 集約レポートが代わりに送られてきています。
3 DMARCレポートの見方
集約レポートは、XML形式で送信されます。 レポートは毎日更新され内容もさまざまです。
ここでは、代表的な形式について紹介します。
フォレンジックレポートについては、サンプルが見つからず記事にすることができませんでした。
3.1 集約レポートの構造
集約レポートは、図3.1-1、 図3.1-2に示すように次の3つのセクションから構成されます。
① <report_metadata>
② <policy_published>
③ <record>
3.2 集約レポートの<report_metadata>セクション
<report_metadata>~</report_metadata>の範囲には、
表3.2-1に示すような内容が記載されています。
3.3 集約レポートの<policy_published>セクション
<policy_published>~</policy_published>の範囲には、
図3.3-1に示すような設定されているDMARCレコードの仕様が記載されています。
4 DMARCレポート解析ツール
送られてくる生形式のDMARCレポートは、XML形式なので読みやすいとは言えません。
本章では、無料で利用できるDMARCレポートを読みやすく編集してくれるツールを2つと、
XML->EXCEL(EXCELになっただけでも、見やすさが断然違います)に変換してくれるツールを
1つ紹介します。
①
XML to Human Converter | dmarcian
・・・ 図4-1参照
②
Dmarc Report Analyzer | MXTOOLBOX
・・・ 図4-2参照
③
オンライン XML から CSV のコンバーター | ASPOSE
以上
本記事の元となっているWordで作成したPDFを
ページ最後に貼り付けました。
少しでも役に立てていただければ、うれしく思います。
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