説明用のIPアドレスやドメイン名に、実在のものを使うのは良くない?

Webに投稿する記事や、自分が発行するメルマガの記事の中で、

・IPアドレス
・ドメイン名

などを例示して説明したい時ってありますよね。

あなたは、どうされていますか?

うっかり実在のIPアドレスやドメイン名を使ってしまうと、
その持ち主の方に迷惑をかけてしまうかもしれません。

かといって、
自分の持ちアドレスを公開してしまうのも、
スパムを招きかねず躊躇しちゃいます。

実は、こうしたアドレスは、
公開ドキュメント用にダミーのものが定義されている
とのこと。

RFC(Request For Comments)』といって、
インターネットに関する技術の標準を定める団体である
IETF(Internet Engineering Task Force)が正式に発行する文書で
こうしたことが定められています。

それらの一部を、2章に示します。

無用なトラブルを避けるために
ダミーアドレスをどうすべきか
悩む時間を無くすことができます。

例示に使えるIPアドレスやドメイン名

【IPv4アドレス】

[RFC5737] IPv4 Address Blocks Reserved for Documentation

で定義されており、
下に示すものが文書用の「IPv4アドレス」として
リザーブされています。

192.0.2.0/24 (TEST-NET-1)
198.51.100.0/24 (TEST-NET-2)
203.0.113.0/24 (TEST-NET-3)

【IPv6アドレス】

[RFC3849] IPv6 Address Prefix Reserved for Documentation

で定義されており、
下に示すものが文書用の「IPv6アドレス」として
リザーブされています。

2001:db8::/32

【ドメイン名】

[RFC6761] Special-Use Domain Names

で定義されています。

TLDとしては

.test
.localhost
.invalid
.example

セカンドレベルドメインとしては

example.com.
example.net.
example.org.

があります。

さらに、RFCにはなっていませんがJPドメインでは

例示に使用可能なドメイン名はありませんか?

に記載があるように

example.jp
example.co.jp
example.ne.jp

と、
それぞれの example の後ろに一桁の数字を付与したドメインもOKです。

例:
xample1.jp
example2.co.jp
example3.ne.jp

さらには日本語ドメインにも例示用に、
"ドメイン名例.JP”が用意されているとのことです。

XN-ECKWD4C7CU47R2WF.JP  (「ドメイン名例.JP」のpunycode表記

【AS番号】

[RFC5398] Autonomous System (AS) Number Reservation for Documentation Use

で定義されています。

AS番号(Autonomous System number)は、
ガラケーやスマホのインターネット接続先である
アクセスポイントのアドレスとして使用されています。

キャリアの携帯電話には設定済みなので、
一般の方はあまり見ることがないと思いますが、
格安SIMではお目にかかるのかもしれません。

64496 から 64511
16ビット AS(2バイト AS)
65536 から 65551
32ビットAS(4バイトAS)

【MACアドレス】

[RFC7042] IANA Considerations and IETF Protocol and Documentation Usage
for IEEE 802 Parameters

に定義があります。

MACアドレスは、
一般の方には殆どかかわりのないものでしょう。
自宅サーバーを立てている方には、
パケット転送設定などで縁があるのかもしれません。

00-00-5Eは、IANAにアサインされたOUIで、
このレンジから、ドキュメント用のMACアドレスなどが定義されています。

◇ EUI-48 Documentaiton Values

00-00-5E-00-53-00 から 00-00-5E-00-53-FF まで unicast として
01-00-5E-90-10-00 から 01-00-5E-90-10-FF まで multicastとして

◇ EUI-64 Documentation Values

02-00-5E-10-00-00-00-00 から 20-00-5E-10-00-00-00-FF まで

なお、機会はほとんど無いと思いますが、
これらの値を実際の機器に設定することはお勧めできません。
意図的にフィルタリングなどなされていることもあり、
思わぬ不具合を招く可能性があります。

以上